価値観や文化を異にする人が、ひとつの地域でよい関係を築きながら生活して いくにはどうすればよいか…。まち居住研究会です。大きさはB5版、計60ページ。研究の活動は、この問いの答えを探し続けることと 言ってもよいでしょう。そのひとつの(中間的な)成果として、2年の歳月を経て今年の
夏に完成したのが『きょうから大久保』という冊子会の主フィールドである新宿区
大久保エリアで、1組の外国人家族が不動産屋を介して部屋を探し、賃貸借契約を行い、生活を始めだすまでのストーリーを追う形で構成されています。特徴は文字が
少なく、イラストが主体になっていること(そのほうが読みやすいですよね)。大久保散歩
と昼寝が趣味というオス猫「ニャントモ」が各シーンに登場し、絶妙なセリフをぽつりと
つぶやいて、緊迫した雰囲気をやわらげています。
後半には実際の生活に役立つ付録が納めてあります。例えば、ゴミの出し方などの
細かい生活ルールを自分達のアパートやマンションに即して示せる「集合住宅の生活
ルール連絡用紙」を日韓中英の4か国語で収録。さらに関連する行政窓口や
ボランティア団体の連絡先も掲載するなど、外国人ばかりでなく、大久保に新しく 引っ越してきた日本人にも役立つ内容となっています。
この冊子は「大久保」を舞台にしていますが、内容の骨子は他地域でも汎用できる ものだと思います。まだこの目で見ていない!という方は、ぜひご覧ください。そして、 忌憚のないご意見をいただければ幸いです。 |